olSketch
アミノ酸とは?構造式から見る基本構造

アミノ酸とは?構造式から見る基本構造

アミノ酸の基本構造を,アミノ基・カルボキシ基・α炭素・R基の4要素から整理します。構造式から性質を読む入口を解説します。

生化学アミノ酸
目次

アミノ酸は,タンパク質を構成する基本単位です.生物の体内では,タンパク質が分解されるとアミノ酸になり,そのアミノ酸が再びタンパク質の合成や体組織の修復,代謝などに使われます.MedlinePlusでは,アミノ酸とタンパク質は生命の基本的な構成要素であり,体はアミノ酸を使ってタンパク質を作ると説明されています.

化学構造として見ると,アミノ酸は名前の通り,アミノ基カルボキシ基を持つ化合物です.一般的なアミノ酸は,中心となる炭素原子に,アミノ基,カルボキシ基,水素原子,側鎖が結合した形をしています.この側鎖はR基とも呼ばれ,アミノ酸ごとに異なります.NCBI Bookshelfでは,タンパク質を構成するアミノ酸はα-カルボキシ基,α-アミノ基,R基を持ち,R基の違いが各アミノ酸の性質を決めると説明されています.


基本的な化学構造

アミノ酸の基本構造を構造式で表すと,次のように考えられます.

H2N-CH(R)-COOH

この式の各部分は,次のように対応しています.

記号 名称
CH α炭素
NH2 アミノ基
COOH カルボキシ基
R 側鎖(アミノ酸ごとに異なる)

R基が変わることで,アミノ酸の種類が決まります.R基が水素ならグリシン,メチル基ならアラニン,ベンジル基ならフェニルアラニンになります.つまり,アミノ酸の共通部分は同じでも,R基が変わることで別のアミノ酸になります

アミノ酸 R基
グリシン 水素
アラニン メチル基
フェニルアラニン ベンジル基
グリシン アラニン フェニルアラニン
グリシンの構造式
グリシンの構造式
アラニンの構造式
アラニンの構造式
フェニルアラニンの構造式
フェニルアラニンの構造式

側鎖(R基)が性質を決める

アミノ酸を構造式で理解するときに重要なのは,単に「タンパク質の材料」と覚えることではありません.アミノ基は塩基性カルボキシ基は酸性を示しやすく,側鎖は疎水性,親水性,酸性,塩基性,芳香族性などを決めます.そのため,アミノ酸の構造を見れば,そのアミノ酸が水になじみやすいのか,タンパク質の内部に入りやすいのか,電荷を持ちやすいのかを考える手がかりになります.

たとえば,グリシンは側鎖が水素だけなので最も小さいアミノ酸です.PubChemでも,グリシンは側鎖として水素原子を持つ最も単純なタンパク質構成アミノ酸であり,唯一のアキラルなタンパク質構成アミノ酸とされています. 一方,リシンアルギニンのように塩基性の側鎖を持つアミノ酸は,生理的条件で正電荷を帯びやすく,タンパク質の表面や他の分子との相互作用に関わります.


構造から理解するための4つの要素

アミノ酸の学習では,20種類の名前をいきなり暗記するよりも,まず共通骨格を理解することが大切です.次の4つの要素を構造式の中で見つけられるようになると,それぞれのアミノ酸を構造式から分類できるようになります.

  • アミノ基-NH2
  • カルボキシ基-COOH
  • α炭素(中心の炭素)
  • R基(側鎖)

まとめ

アミノ酸は,アミノ基カルボキシ基を持つ有機化合物です.タンパク質を構成するアミノ酸では,α炭素にアミノ基,カルボキシ基,水素,R基が結合しています.アミノ酸ごとの違いは主にR基によって決まり,その違いがタンパク質の性質や働きにもつながります.